【解決!】転職・中途採用で未経験の職種・仕事に応募してもいいのか?企業が未経験者を採用する理由は?

くおん先生
こんにちは。元採用担当で、大学教員のくおんです。

「未経験可」という求人なら、もちろん未経験の職種に応募して問題ありません。「未経験可」と企業が記載するには理由があるのです。

企業が未経験者を採用する理由

中途採用の場合、基本的に「スキル・即戦力」が重視される。にもかかわらず、「未経験可」という求人が多くある。なぜ企業は未経験者を募集するのだろうか? それには以下のような理由がある。

①応募人数を増やせる
②基礎能力と意欲の高い候補者が集まる可能性
③いびつな組織構成の是正

応募人数を増やせる

経験者だけに募集を絞ると、当然ながら応募する人数は少なくなる。一方、「未経験可」と記載すれば応募人数は増えることになる。求人票にどう記載するかは企業の求人に対する時間的余裕が関係してくるだろう。即戦力として少しでも早く働いてほしい場合は「経験者のみ」となり、教育のための時間があれば「未経験可」という選択肢もある。

応募者の側からすると、未経験の仕事に応募することに不安を感じるかもしれない。だが逆に考えると、「未経験可」という記載があれば「少しは業務に慣れるまでの時間的余裕がある」とも解釈できる。そう考えるとむしろ応募しやすくなるのではないだろうか。

基礎能力と意欲の高い候補者が集まる可能性

その仕事に対する経験はなくとも、要領が良くすぐに技術を習得できる人材も存在する。また、未経験の仕事に挑戦しようとするのだから、自分の能力に自信がある場合も考えられる。新しいことにチャレンジするということで、意欲が高いことも連想される。単に経験がある人よりも、優秀な人材の方が長期的に活躍する可能性があるのだ。

いびつな組織構成の是正

経験者は、平均的に年齢が高い可能性がある。企業が未経験者を求めるとき、いびつな年齢構成の是正を狙いとすることもある。たとえば、組織の構成員が高齢人材ばかりであるとき、未経験でもいいから若い人材を採用したいという場合も考えられる。世代交代を目的にしているかもしれない。組織というものは基本的に多様性があったほうが生存確率が高まる。

未経験の場合のアピール方法

基本的な戦略は「あなたの保有スキルや職務経験と、応募職種の関連性を強調する」ことである。「私がこれまでやってきた仕事・培ってきたスキルと、この仕事には○○という共通点がある。だからこの仕事にも対応できる可能性が高い」と主張することである。仕事というものは意外と共通点があるものだ。たとえば、銀行で融資(お金を貸す仕事)を担当していたとすれば、未経験ではあっても企業の成長性を分析するアナリストや投資先を決めるファンドマネージャー、または経理の仕事などに適応できる可能性がある。銀行の融資の仕事では企業の財務リスク(倒産の可能性)や成長性を考慮するため、その能力は他のさまざまな仕事に応用できる。

逆に、あなたがこれまで行ってきた仕事と、未経験の職種に共通点がまったくないということはないはずだ。その仕事について深く取り組むと、どんな仕事にも共通点を見いだせる。代々続く「せんべい屋の職人」と銀行の融資にも共通点がある。長年続いているせんべい屋であれば、味の伝統を守るために食材の仕入れ先が重要となる。つまり、仕入先が倒産するなどでなくなってしまったとき、これまでの味を再現できなくなる可能性がある。したがって、企業が潰れるかどうかは、せんべい屋の職人と銀行の融資担当者双方にとって重要な論点となる。こうしてせんべい屋の職人と銀行の融資担当の仕事には共通点を見いだせた。

このように、どんな仕事でもその本質には似ている点があるものだ。

資格や勉強をPRする

未経験の職種であっても、あなたがその職種に関連する資格を保有している場合は、その仕事に対する意欲を証明できるし、志望動機にも納得しやすくなる。筆者の会社に公認会計士の資格を持つ同期がいたが、配属された部署は会計とまったく関係のない部署だった。結局、数年たってその同期は会計事務所に転職した。

資格を保有している場合、「未経験の職種を本当は現在の会社でも希望していたが、かなわなかったので転職を考えた」というストーリーになり、採用側も十分理解できる。

新卒採用の場合もそうだが、筆者は資格というものは「自己PR」よりも「志望動機」を伝えるために有効だと考えている。「この資格を持っているということは、本当にウチの業界に興味があるんだな」と採用側は考えるはずだ。

また、資格を保有していなくとも、すでに勉強をしていることを伝えて意欲を示すのもありだ。資格というものは確かにわかりやすいが、本当に優秀な人ほど資格ではないところを重視している。資格がないからといって不安に感じる必要はない。

くおん先生
これまで述べてきたとおり、未経験の職種でも採用される可能性は十分にあります。あきらめずにチャレンジしてください
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