

この授業では、転職面接でよく聞かれる30個の定番質問の答え方を一気に解説します。この授業をしっかりと受け、不要な減点をなくし、面接官からの評価を高めましょう!
下記で、具体的な転職面接での受け答えのポイントを示すが、その前に面接全体での鉄則を記しておく。それは、「ネガティブ・否定的な言葉を一切使わず、ポジティブ・前向きな言葉だけを使う」ということである。さらに一歩進んで、「面接官が求める回答」ができれば申し分ない。「この質問にどう答えれば面接官から評価されるか?」を考え、逆算して自分のエピソードに落とし込むのである。そして、答え方に迷ったら、とにかく「3つあります」と言うのだ。たとえば、「御社を志望する理由は3つあります。1つ目は~」のような具合だ。別に2つでもかまわない。なぜこうするかというと、受け答えの内容が普通でも、「理路整然と話しているように見える」からだ。簡単に知的な雰囲気をかもし出せる有効なテクニックだ。
これらを心がけることであなたは「理想の人材」であることを示せる。これらは転職面接で評価されるための基本戦略である。
そして、新卒採用と中途採用の大きな違いは、評価基準である。新卒採用では「人柄や性格」が重視されるが、転職面接では「能力・スキル」が評価される。
このことを踏まえた上で、以下に進んでほしい。

目次
- 1 「自己紹介をお願いします」の答え方
- 2 「これまでの職歴を教えてください」の答え方
- 3 「自己PR」の答え方
- 4 「強み・長所」の答え方
- 5 「弱み・短所」の答え方
- 6 「失敗した経験」の答え方
- 7 「まわりとの人間関係」の答え方
- 8 「周囲の人からどう思われていますか?」の答え方
- 9 「休日の過ごし方」の答え方
- 10 「仕事はきついですが、体力はありますか?」の答え方
- 11 「転職理由」の答え方
- 12 「前職の不満」の答え方
- 13 「この仕事は未経験のようですが」の答え方
- 14 「ブランクがあるようですが」の答え方
- 15 「転職回数が多いようですが」の答え方
- 16 「志望動機」の答え方
- 17 「当社の強みと弱みは何だと思いますか」の答え方
- 18 「当社の志望順位は?」の答え方
- 19 「当社の社長の名前は?」の答え方
- 20 「当社の経営理念についてどう思いますか」の答え方
- 21 「他社の選考状況」の答え方
- 22 「希望給与」の答え方
- 23 「残業、休日出勤、転勤がありますが問題ないですか?」の答え方
- 24 「入社日」の答え方
- 25 「入社後のキャリアプラン」の答え方
- 26 「家族は転職に賛同していますか」の答え方
- 27 「結婚した後も仕事を続けますか?」の答え方
- 28 「健康状態」に関する質問の答え方
- 29 「最後に何か質問はありますか」など逆質問の答え方
- 30 (参考)「こちらのオフィスの場所はすぐわかりましたか?」など面接冒頭のアイスブレイク質問答え方
- 31 まとめ
「自己紹介をお願いします」の答え方

自己紹介では、氏名、現在のポジションと仕事内容、保有スキル、応募理由などを1分程度で話す。自己PRではない点に注意しよう。
「これまでの職歴を教えてください」の答え方

職務内容を具体的に述べる際は、仕事の内容、自分の役割、実績・成果、身についたスキルなどの要素を盛り込む。
「自己PR」の答え方

中途採用を企業が実施する理由は、欠員の補充や事業の拡大である。教育の時間がないからこその中途採用なのである。そのために「即戦力としてのスキル」が重視される。新卒採用のような自分の人柄や性格に焦点を当ててしまうと、的はずれなPRとなる可能性がある。
答え方は、基本的にはさきほどの職歴を尋ねる質問と同様の内容となる。ただし話す内容の順番は変わり、身に付けているスキル、仕事の内容、自分の役割、実績のようになる。
また、数字を使うのも有効なテクニックだ。「たくさん売上を上げた」では面接官に確実な情報を提供できない。「3億円を売り上げた」なら自分の仕事の規模感を一瞬で伝えられる。
「強み・長所」の答え方

自己PRの答え方で述べたように、本来中途採用でPRすべき強み・長所はスキルに関してである。しかし、すでに自分のスキル面のPRを終えた後にこの質問が来る場合もある。それに備えて性格面の強み・長所も話せるようにしよう。
「弱み・短所」の答え方

「強み・長所」とは異なり、「弱み・短所」を聞かれる場合には性格面についての短所を求められるケースが多い。重要なことは、仕事をするにあたって致命的な短所を答えてはいけないということである。仮にそれが真実でもである。たとえば、「体が弱い」「体力がない」「遅刻癖がある」「朝が苦手」「仕事の締切を守るのが苦手」のような、採用するのに不安になるような短所・弱みは言わない。「仕事に夢中になりすぎてつい睡眠時間を削ってしまうところがあるので、パフォーマンスを落とさないように睡眠時間をしっかり確保するよう努めています」のような自分のマイナスにならない形で逃げる。この言い方なら「しっかりと仕事をしてくれそうだ」という印象を面接官に与えられる。
「失敗した経験」の答え方

致命的な失敗の例としては、「過去に100億円の損害を出しましたが、今はそうならないよう何度もチェックを行っています」という人が面接に来たとして、あなたはその人を採用できるだろうか? 重要なのは失敗をリカバリーできたかである。たとえば、「100億円の案件を私のミスで逃しましたが、それをバネに努力して200億円の案件を受注しました」であれば、失敗がリカバリーされているので面接で話せる内容になる。
「まわりとの人間関係」の答え方

人間関係に否定的なことを述べる人は、職場において良好な人間関係を築けていないと判断される。つまり、新しい職場でも良い関係を作ることができないと連想されてしまう。「上司や同僚も尊敬できる人が多く~」と今いる職場の人をほめよう。
「周囲の人からどう思われていますか?」の答え方

この質問に対しても、自分に対するネガティブ・マイナスイメージに関するものを話さない。周囲の人が言ってくれた良い言葉について話そう。
「休日の過ごし方」の答え方

この授業の冒頭でも述べたが、「面接官が求める答え」から逆算することで話す内容が見えてくる場合も多い。「休日を何もせずダラダラと過ごしている」という答えと「休日はスキルアップのために○○という資格の勉強をしています」なら後者の方が評価されると推測できる。
「仕事はきついですが、体力はありますか?」の答え方

「転職理由」の答え方

転職理由の答え方に関しては、次の2点の要素を入れる。これらが入っていれば、転職の理由に説得力が出る。
①前向きなチェレンジであるということ
②今の会社(前職)でもそのチャレンジをしようと手を尽くしたが、チェレンジできなかったこと
「前職の不満」の答え方

すなわち、「今の会社(前職)でチャレンジしようとしたが、制度などの理由からどうしてもチャレンジできなかった」などのように前向きな理由を答える。「年収が低く残業と休日出勤が多い」など本当(?)の理由を言うと、内定をもらえる確率が下がる。
「この仕事は未経験のようですが」の答え方

未経験の職種への応募の場合、あなたが保有しているスキルや資格と、未経験の職種との間の関連性を示すことが基本戦略となる。融資営業を行う銀行員と投資戦略を考えるファンドマネージャの仕事は、企業のリスクと成長性を考えるという点で大いに関連がある。仕事と仕事は、意外に結びついているものだ。

「ブランクがあるようですが」の答え方

ブランクがある場合、「ビジネス感覚の低下」や「他の企業から声がかからない人材」などの先入観を持つ人事もいる。この質問に関しては、しっかりと話せるよう準備をしておく。

「転職回数が多いようですが」の答え方

ストーリーのわかりやすい例としては、アルバイト→派遣社員→契約社員→正社員というステップアップだ。この人の場合、次で4回目の転職となるが、キャリアアップを重ねてきたことが伝わる。

「志望動機」の答え方

志望度の高さを示すのは、「その企業について調べた量」である。「そこまで調べたのだから志望度も高いだろう」と判断される。また、転職では新卒採用と違い「即戦力としてのスキル」こそ企業が求めているものである。この2つの要素を盛り込もう。

「当社の強みと弱みは何だと思いますか」の答え方

強みに関しては、志望動機と同じで「他社と比較したその企業の強み」を答える。弱みに関しては、「その会社に勤めている人」が話してる記事などを見つけると話しやすく、上から目線になりにくい。「御社の○○さんが日経新聞の記事で、☓☓とおっしゃっていましたが、私も同様の意見を持っており~」のように話すと、「事情を知らないくせに偉そうに言いやがって」という批判を回避できる。
「当社の志望順位は?」の答え方

「当社の社長の名前は?」の答え方

「当社の経営理念についてどう思いますか」の答え方

「他社の選考状況」の答え方

「希望給与」の答え方

給料が下がっても入社したいと考える場合、「御社の規定に従います」とだけ答えるのも手だ。また、商社や金融など年収の高い業界からの転職の場合、「同等以上」だとミスマッチが起きる可能性もある。

「残業、休日出勤、転勤がありますが問題ないですか?」の答え方

ただし、残業、休日出勤の頻度、転勤する場合の勤務地については内定受諾前までにしっかりと確認しておく。
「入社日」の答え方

企業の中途採用の2大目的は、「事業拡大」と「欠員の補充」である。特に、後者の場合には時間的余裕はないケースが多い。

「入社後のキャリアプラン」の答え方

「家族は転職に賛同していますか」の答え方

ここで「家族の説得はこれからです」のように話すと、面接官は「辞退される可能性」が頭をよぎり、あなたの採用に不安を覚える。
「結婚した後も仕事を続けますか?」の答え方

「結婚、出産しても働けるか?」のような質問は禁止されているものの、現実の転職面接では質問されることもある。逆に、この質問が来るかどうかで、その会社のコンプライアンス(法令遵守)レベルを知ることもできる。

「健康状態」に関する質問の答え方

健康状態を質問することは違法ではないものの、配慮が必要な質問項目である。業務遂行に差し支えがない病気であるなら、答えない権利もある。

「最後に何か質問はありますか」など逆質問の答え方

労働条件を質問することは当然の権利ではあるものの、現実の面接ではネガティブにとらえられることも少なくない。事業に関することや社員しか知らないことを質問するのがよい。

以下のような「活躍する人材」に関する逆質問もおすすめだ。
・入社までに学んでおくべきスキルはなんでしょうか?
・中途採用で活躍されている方は、どのような人でしょうか?
(参考)「こちらのオフィスの場所はすぐわかりましたか?」など面接冒頭のアイスブレイク質問答え方

まとめ
