【徹底解説】就職に失敗した人が転職で大企業に行ける5つの理由

くおん先生
こんにちは。元採用担当で大学教員のくおんです。
この授業は、学校を卒業して間もない新卒採用時に「就職で失敗した」と思っている人にぜひ聞いてほしいです。新卒採用時の失敗は、転職でリベンジすることが可能です。あなたが憧れた大企業に転職することはまったく不可能ではありません。

あなたが大企業に転職できる5つの理由

もしあなたが転職について、新卒採用と同じようなイメージをもっているとしたら、それは大きな誤解だ。新卒採用と中途採用では採用の理屈が異なるからだ。さらに、転職では新卒採用と異なり、「あなたに有利」な条件が揃っているのだ。

転職で就活の失敗を取り返せる理由として、以下の5つがある。

①新卒採用と中途採用では評価基準が違う
②中途採用では学歴が重視されない
③大企業への転職が増えている
④あなたと会社のパワーバランスは対等である
⑤転職には時間の成約がない

以下ではそれらを1つずつ見ていくことにしよう。

①新卒採用と中途採用では評価基準が違う

新卒採用時に面接などで違和感を感じたことがないだろうか? 筆者は「なぜこんな茶番をしなければならないのか?」と就職活動時にいつも思っていた。新卒採用ではコミュニケーション能力、いわゆる「コミュ力」が求められたり、「能力」ではなく「性格や人柄」が重視されたりする

ちなみに、科学的な観点では採用時に「コミュニケーション能力」を重視するのはあまり良くないとされている。というのも、コミュニケーション能力は「変化しやすい能力」だからだ。つまり、短期間での能力向上が可能なのが「コミュ力」なのである。それならば、コミュニケーション能力は入社後に鍛えることを前提で、「変化しにくい能力」で人を採用した方が合理的だといえる。「変化しにくい能力」としては知能や情熱などがある。

新卒採用において、コミュニケーション能力や「性格・人柄」が評価される理由も、もちろん理解できる。会社では、上司や同僚、そして部下と一緒に仕事をしなければならない。会社の雰囲気に合うかどうかというのも、もちろん大事だ。新卒採用ではポテンシャルを見ているから、現在の能力は求めないというのも、筋は通っている。日本の新卒採用では、内定段階で採用後の仕事が決まっていないケースがほとんどだ。だからこそ「具体的な能力」が要求されず、目には見えない「抽象的なもの」が求められる。

それでもやはり「能力」に重きが置かれないことに関して、違和感がないだろうか? 素直に能力で採用すればいいものを、さまざまに理屈をつけて「コミュニケーション能力」や「ポテンシャル」、「人柄」を重視するという。

中途採用では、このような新卒時の違和感がなくなる。新卒採用では「性格・人柄」であった評価基準が、中途採用では「募集ポストに関連する具体的スキル」となる。つまり、中途採用ではあなたの「能力」が最も重要な採用基準となるのだ。

シンプルではないだろうか? 「仕事を行うスキルがあるから採用」ということだ。極めてわかりやすい。基本的には最も能力のある人が採用されるのが中途採用だ。あなたが他の候補者に負けたとしたら、「能力が足りなかった」ということだ。当然ながら、マナー面やその他要素ももちろんチェックされる。ただ、採用基準の主要な位置に「具体的スキル」があるのは間違いない。意味もわからず落とされた新卒採用の悔しさが、中途採用では緩和される。

転職の採用基準は、新卒採用とくらべて十分に納得がいくものなのだ。

②中途採用では学歴が重視されない

転職ではスキルが求められることから、「学歴が重視されない」ということもわかる。新卒採用時には「学歴フィルター」という、採用される側にとっては理不尽極まりないシステムが存在していた。「採用する側」にとっては非常に合理的である。新卒採用では、採用担当者にくらべて候補となる学生の方が圧倒的に多い。エントリーしてきたすべての学生をしっかりと見るのは物理的に不可能だ。だからこそ、優秀な人が多いと思われる上位の大学から多くを採用するのは理にかなっている。この学歴フィルターの存在により涙を飲んだ人も多いだろう。

転職に「学歴フィルター」はない。いわゆるFランク大学であってもスキルがあれば転職は可能となる。学歴をコンプレックスに感じる人は少なからずいるが、転職では学歴は不利な要件とならない。

中途採用では、「具体的スキル」が求められ、「学歴が重視されない」という非常にわかりやすく納得のいく採用基準となっている。ここまでの話で、転職に挑戦したくなった人も多いのではないだろうか?

③大企業への転職が増えている

「転職すると待遇が悪くなる」「中小企業にしか転職できない」というのは過去の話だ。数十年前は実際にそうだった。終身雇用に代表されえる日本的雇用が、つい30年前は世界中から注目されていたのだ。

そんな「終身雇用」という神話が崩壊しつつある日本において、転職市場は盛り上がってきている。そして実際に、厚生労働省のデータを見ると、中小企業がから大企業への転職がメインストリームと言えるほどに増えている。大企業への転職は、まったく不可能な状況ではなくなっているのだ。

これまで述べてきたことから、スキル次第で大企業に転職できるという事実を導ける。

④あなたと会社のパワーバランスは対等である

くおん先生
新卒採用時には、企業の「上から目線」を感じたことはないでしょうか? 新卒採用では「企業は選ぶ」立場でありあなたは「選ばれる立場」でした。しかし、中途採用では違います。あなたは「選ばれる立場」であると同時に「企業を選ぶ立場」でもあるのです。つまり、新卒採用と中途採用ではあなたと会社のパワーバランスが異なります。

新卒採用とは違う中途採用独特のパワーバランス

ごく一部の超一流大学の学生なら、新卒採用時における学生と企業のパワーバランスは、学生の方が強い場合もある。学生が企業を選ぶ立場であり、企業はなんとか選ばれたいと思っている。文字通り、内定を辞退されないために接待すらときに行われている。

逆に、大多数を占める超一流大学でない学生の新卒採用では、学生は企業から選ばれる立場であることも多いだろう。新卒採用の倍率は非常に高く、5000人エントリーして採用は50名前後、倍率にして100倍という企業はザラにある。したがって当然ながら、希望の企業に就職できず納得のいかない会社に就職する人もいるはずだ。

転職活動では、新卒採用時と異なり、候補者と会社のパワーバランスは対等となる。なぜなら、あなたはすでに「就職」しているからだ。「今の会社に留まることができる」という選択肢をあなたは持っているのだ。つまり、会社側は今あなたがいる会社よりも魅力的であることを示さなければならなくなる。新卒採用では基本的に「選ぶ立場」の大企業が、中途採用では「選ばれる立場」にもなるのだ。

転職の場合、それがどんな大企業であろうと、基本的にあなたと企業のパワーバランスは対等なのである。あなたには「今の会社に留まる」という強い手札を持っているからだ。

⑤転職には時間の成約がない

そして転職活動の新卒採用時にはない大きなメリットは、「時間の成約」がないことである。新卒採用の場合、解禁日から数ヶ月間の間に、長くとも1年間ほどの間に、絶対に内定を取らなければならない。就職活動の1年間は非常に大きなプレッシャーにさらされることになる。「もし内定を取れなかったら…」と想像すると、とても不安になる。親や周囲の友人からも「どこに就職するのか?」と尋ねられる。

筆者は、この新卒一括採用のシステムに疑問を持っている。多様性を認めず、高校卒業、大学卒業のタイミングでしか就職を認めないこの仕組みは差別的ではないだろうか?

ところが、転職活動の場合、2年、3年、10年、何十年続けても問題がない。時間という成約がないことから、あなたには余裕が生まれることになる。その余裕が面接時に堂々と受け答えできることにつながるのである。新卒採用時の面接は、筆者も経験があるのだが緊張で頭が真っ白になることもあった。不安に押しつぶされそうな瞬間もあったと記憶している。その苦い経験を転職活動でもすることになるかというと、そうはならないということだ。あなたは、今受けている中途採用の面接に「差し迫って受かる必要がない」のだ。

まとめ

以上「あなたが大企業に転職できる5つの理由」を述べた。新卒採用と中途採用では状況が大きく異ることを理解してもらえたはずだ。そしてもし転職活動がうまくいかないなら、あなたの「スキル」がまだ未熟なのかもしれない。ぜひスキルアップに努めてほしい。

新卒採用時に感じた「コミュニケーション能力重視」や「学歴フィルター」、「1年以内に内定を取らなければならない」など数々の「理不尽」は、中途採用にはほとんどない。納得のできる競争環境が転職市場では整いつつある。だからこそ筆者は、新卒採用時に失敗したと感じている人にこそ転職活動を推奨しているのである。

「あきらめなければ夢は叶う」というセリフをよく聞く。この言葉に対して、基本的に筆者もきれいごとだと思っている。世の中には努力だけで解決できることは少ない。非常に大きな「運」という要素が私たちの人生を左右している。しかし、転職に関しては、「あきらめなければ夢は叶う」といえる条件がある程度揃っている。

くおん先生
新卒の就職活動に失敗したと思う人はぜひ転職でその悔しさを晴らしましょう! 中途採用は「運」よりも「努力」が実を結ぶ世界です。新卒採用のコミュニケーション能力や人柄のような「あいまいな評価基準」に悩むこともありません。良い企業に転職できるかは、あなたがあきらめないかどうかにかかっています。焦らずじっくりと継続すれば、高い確率で成果の出る瞬間がやってきます。
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