【徹底解説】何歳までの転職で年収は上がるか?下がる年齢は?

転職で年収が上がるかは年齢と経験が関係する

くおん先生
こんにちは。元採用担当で大学教員のくおんです。

転職で給料が上がるかは非常に気になるポイントですよね。実は、転職において給与が上昇するかどうかは年齢が大きく関係します。厚労省のデータによると、一般に40歳までの比較的若い年代の場合は、年収が上がるケースが多いです。

一方で、40歳を超えてくると、年収は上がりにくくなります。これは上がりにくくなるだけであって、上がる人も多いです。40歳を超えてもハイクラス層の転職に関しては年収アップが十分に見込めます。また、年齢以外の要素として経験があるかどうかも関係してきます。

転職と年齢が大いに関係していることはよく知られている。以前は「転職35歳限界説」という言葉もよく聞いた。これに関しては、経験があるかどうか、業界・職種によっても異なる

基本的に、どの業界であっても経験があれば年齢にかかわらず有利な条件で転職できる可能性がある。未経験の場合には、基本的に年齢が若いほど有利だ。一方で、タクシーに乗ると年配のドライバーが多いことに気づく。以前も、倒産した企業の社長がタクシー運転手に転身した話がニュースとなっていた。業界・職種によっては年齢が高い未経験者でも受け入れてくれる。たとえば、運輸、介護業界などがそうである。

職種によっても異なる。営業や販売員の仕事であればどの業界でも転職できる可能性がある。もちろん、業界によって必要な専門知識は異なるものの、営業・販売に必要なスキルは業界を超えて共通要素が多くあるからだ。

転職で給料を確実に上げられる理由

くおん先生
実は、上記にかかわらず、転職ではほぼ確実に給与を上げられます。なぜなら転職では、給与など雇用条件に関して、面接の終盤、内定時など、内定受諾までの間に提示されるからです。自分の希望に合う雇用条件だった場合のみ転職をすればいいのです。

「転職で給料が下がる」という話をよく聞く。あたかも転職をすると、企業から年収ダウンを押し付けられるようなイメージを持っている人が多いだろう。しかし、これは本来おかしな話だ。給料が下がるのは、転職者が「年収ダウンを受け入れた」からだ。「転職で年収が下がる」のではなく、「転職で年収が下がっても、仕事内容や人間関係など他に優先したい事項がある」が真実だ。自分から進んで下がることを受け入れなければ、給料が下がることはないのだ。つまり、実は転職で確実に年収は上がるのだ。

くおん先生
もし内定受諾までに給与の提示がなければ、確認するようにしてください。これは必ず聞かなければなりません。よくある誤解が、求人情報を信じることです。求人情報に600万~800万円と書いてあったとして、「800万円もらえるのか!」と喜び、しかしいざフタを開けてみたら600万円だったということもあります。600万円以上は経験者の金額で、未経験の場合はこの水準よりも低いかもしれません。自分勝手に年収を推測してはいけません。求人情報をうのみにせず、しっかりと内定受諾までに先方に確認しましょう。

中小企業と大企業の給与の違い

くおん先生
当然ながら業界・企業によって異なるものの、月給ベースの平均では大企業の方が中小企業より5万円~10万円高くなるというデータがあります。

大企業に憧れている人は多い。大企業に入れば良い対偶が得られると考えている人は多い。そして、給料やその他福利厚生という観点では、一般に大企業の方が良いだろう。しかし、当然ながら給料だけで判断するのは危険である。筆者自身、給料が高いと有名な大企業に務めていた。福利厚生は当然のように充実していた。会社が社宅を借り上げてくれており、日本全国どこでも広い部屋に3万円ほどの家賃で住むことができた。それでは筆者が中小企業勤務者より幸せかというとそうとはいいきれない。給料が高いということは、それだけ高いレベルの仕事を求められるということだ。仕事からのプレッシャーは非常に強かった。上下関係も厳しい。大企業特有の全国転勤という問題もある。商社にいたっては全世界転勤と言ってよいだろう。そして家族も離れ離れで、子どもの成長に立ち会えないかもしれない。基本的に、仕事の困難度と年収は比例すると思っておくべきだ。とはいいつつも、筆者は年収の低い仕事の難易度が低いとは思わない。給料にかかわらず、どの職場でも人間関係の構築は大変だ。どんな仕事でもその仕事特有の難しさというものがあるだろう。

くおん先生
年収だけで判断すると転職に失敗する可能性もあるため、総合的に判断してください。転勤が少ない中小企業の方が幸せになれる人も多いはずです。中小企業と大企業の、それぞれのメリットとデメリットを考えましょう

中小企業と大企業のメリット・デメリット

【大企業のメリット】
・年収が高い
・福利厚生が良い
・会社が安定している
・大きなスケールの仕事に挑戦できる
・ステータスが高い
・教育・研修が充実

【大企業のデメリット】
・仕事の難易度が高い
・転勤が頻繁、もしくは勤務地がバラバラ
・上下関係が厳しい
・大きな組織の一つの歯車として働いているため、やりがいがない
・すでに業界が衰退期に入っている

【中小企業のメリット】
・濃い人間関係(良くも悪くも)
・経営層との距離が近い
・裁量が大きい
・スピード感がある
・一人で担当する仕事の幅が広い
・転勤・異動が少ない

【中小企業のデメリット】
・給与が低く、福利厚生が整っていない可能性
・濃い人間関係(良くも悪くも)
・会社の経営状況がよくない
・ネームバリューやステータスがない
・人間関係が悪化しても異動できない
・教育・研修がない

転職後の年収はいくらあればいいのか?

くおん先生
日本や海外の研究で判明している事実は、年収は800万円くらいあると、お金から得られる幸福度はピークに近くなります。お金はあればあるほどいいと思っている人も多いのではないでしょうか? ところが科学的な観点からは、それは否定されています。お金から得られる幸せには上限があるのです。

お金から得られる幸福度には限界がある

幸せな人生を送るために何が必要だろうか? その際に、「お金」と答える人は多いだろう。お金があれば、好きなモノが買え、自由な時間が増える可能性がある。当然ながらそれは間違ってはいない。貧しさ、貧困というものは確かに人間の心を破壊する。収入は幸せな人生を送るための「一つの」要素である。「一つの」というのがポイントである。

科学的には、プリンストン大学のダニエル・カーネマン教授などの研究により「幸福度の年収800万円限界説」が知られている。年収が800万円までは幸福度はゆるやかになりつつも上がり続けるという研究がある。ただ、800万円を超えてくると、お金から幸福を得ようとするのは賢明ではない可能性がある。年収が何千万円・何億円もある人と、800万円の人では、幸福度がそれほど変わらないからだ。

お金は稼ぎ方だけではなく使い方も重要

私たちはともする稼ぎ方ばかりに目がいく。お金を稼げば幸せになれると思っている人はたくさんいる。ところが、そうしてせっかく稼いだお金を飲み代として一瞬で蒸発させ、教育費など本来必要なお金に回す余裕がないという人もいる。ぜひあなたに意識してほしいことは、お金は稼ぎ方以外にも使い方が重要だという点だ。それがよくわかる事例が、宝くじ当選者の末路だ。3億円や5億円に当選した人が、その後幸せになっているかというと、仕事を辞めて事業を起こしたが失敗して大きな借金を抱える、投資に手を出して大損する、など宝くじに当選してお金の使い方を誤り不幸になった人は数多くいる。借金を背負って自己破産するなど、お金における大きな失敗が「稼ぎ方」と「使い方」のどちらが原因で生じているかを想像してほしい。住宅ローンが払えなくなるのは、「自分では不釣り合いな家を買うというお金の使い方」を失敗したからだ。クレジットカードの返済に困るのも「お金の使い方」を誤ったからだ。低すぎる収入の場合を例外として、基本的にお金の大きな失敗は「使いすぎる」ことから生じるのである。

くおん先生
年収が上がることも重要ですが、「収入の範囲で出費をおさえる技術」も大事です。ぜひ稼ぐ・使うの両方を意識しましょう。

幸せになるにはバランスが重要

アメリカの調査機関による研究では、幸福度はバランスが重要だと判明している。お金、健康、人間関係など、どれか一つで大きな悩みを抱えていると、幸福度がダメージを受ける。どれか一つが突出して高くても他をないがしろにしていると幸福度は上がらない。ある程度年収が高くなると、お金が増えるよりも健康や人間関係が改善する方が劇的に幸福度が高まる。さらに、健康や寿命に影響を与える大きな要素として「孤独か、孤独でないか」ということが知られている。人とのつながりは私たちが思うよりも重要なのである。

つまり、自分が何に時間を使うと幸せになれるかということだ。年収が少ない人なら、年収800万円を目指すことで収入アップによる幸福度の増加が期待できる。一方で、すでに高い年収を得ている人なら、健康のために食生活や運動を見直したり、家族や友人を大事にした方がより幸せになれる。自分の時間の投資先を考えて行動しよう。そしてもしそれが年収などお金に関することであなたが悩んでいるとしたら、転職は解決策になる可能性がある。そして多くの場合、時間の使い方は偏っているケースが多い。この授業を受けたあなたにはぜひ自分の状況や時間の使い方のバランスを再考していただきたい

くおん先生
以上から、年収アップを目指す人は、目安としてまずは800万円を目標にしましょう!800万円近辺の年収だと、あなたはお金から得られる幸福をある程度最大限活用できていることになります。若い人の転職ほど年収アップの可能性が高いというデータがありますので、早めの準備が大事です。
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